岡山県立大学保健福祉学部
現代福祉学科
村社 卓 研究室

最新著書の紹介

村社 卓著『高齢者のボランティア活動とたのしさの共有-コロナ時代の孤立予防モデル』(川島書店、2023)235頁

 本書『高齢者のボランティア活動におけるたのしさの共有-コロナ時代の孤立予防モデル』は、前書『たのしくつながる高齢者の孤立予防モデル-参加とサービス利用を促す関係づくり』(2020)の続編です。
本書では新たに、新型コロナウイルス感染症拡大に伴う「カフェ」の変化、「たのしくつながる高齢者の孤立予防モデル」の改訂版、たのしさの共有を可能にする「共感と支持」および「集中と分散」の内容について説明しています。

 たのしいと人は参加します。また、必要に応じてサービス利用につないでもらえるシステムは魅力的です。たのしいこととつなぐことは、高齢者の孤立予防を実現する推進力となるものです。
 そして、高齢者のボランティア活動においてはたのしさの共有が重要になります。たのしさの共有は共感と支持から構成されています。また、たのしさの共有の継続は困難であるため、共有の継続には集中と分散が必要になります。
 本書では、このことを長年に渡る大都市のコミュニティカフェの実践分析を通して実証的に明らかにしています。この成果は、新型コロナウイルス感染症拡大状況のなかで、さらに求められている高齢者の孤立予防対策にも、多くの示唆を与えるものです。

 加えて、本書では定性的(質的)データの収集方法と分析方法、そして理論の生成についても、執筆方法を中心に体験的に解説しています。ぜひ本書を、定性的研究方法のガイドラインとして調査・研究の実施に活用してください。

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