研究テーマ
村社研究室では、これまで定性的(質的)研究法を用いたソーシャルワーク実践の研究を行ってきました。最近では、高齢者のボランティア活動における「たのしさの共有」について研究を進めています。
高齢者の孤立予防については、高齢者の孤立(独)死が大きな社会問題となるなかで、ソーシャルワークによる体系的な支援システムは十分に開発されていません。高齢者の孤立予防に向けて、専門職と高齢者を「つなぐ」ボランティアの役割は重要です。しかし、ボランティア活動の継続は困難であり、継続のためには、ボランティア活動における「たのしさの共有」が必要となるのです。
本研究では、高齢者の孤立問題に対応する予防的対策について、ソーシャルワーク領域からの知見が期待できます。その研究成果は、高齢者の孤立(独)死を未然に防ぐ上でソーシャルワークの役割を明示するだけでなく、今後の地域福祉の展開、国の政策決定にとっても独自の基礎資料となるものです。
そして、コロナ禍により、国家が国民に「ひきこもること」を半ば強制する状況において、それは「高齢者の孤立予防」の施策と実践にどのような影響を与えているのでしょうか?その影響を踏まえ、「高齢者の孤立予防」に関わる高齢者のボランティア活動と、その活動の原動力となるメンバー間の「たのしさの共有」について、今後も調査・研究を続けていきたいと思います。
村社研究室の特色は、ソーシャルワークとフィールドワークの統合です。
私はこれまで、「知的障害者の就労支援」「ケアマネジメント」「高齢者のボランティア」の領域でフィールドワークを実施してきました。
また、大学ではソーシャルワーク関連科目を教えてきました。ソーシャルワークとは「相談援助による生活支援」のことです。対象者のニーズを明らかにし、必要ならばそれを福祉サービス等に結びつけるところに特徴があります。
ソーシャルワークとフィールドワーク。
両者には、対象者との良好な関係形成が求められるなど、共通点は多いです。当然、その関係には不明な部分も多く、日々遭遇する様々な発見にワクワクしながら研究・教育を続けているのです。